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名古屋桐箪笥

「経済産業大臣指定・伝統的工芸品・名古屋桐箪笥」の製造元。伝統工芸士が製作した総桐箪笥から現代的なデザインの総桐チェストまで、中部地区最大級の品揃え。想い出深い桐箪笥の再生(洗い)も承っております。

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桐たんすのカビについて。。。

 
 20年程前にお求め頂いた方からお電話を頂きました。内容は、桐箪笥表面に付いたカビのご相談でした。幸いお近くでしたので日時を決めて状態を確かめにお伺いして参りました。写真のように下胴の台廻りと引出し表面と上部分に、側板にもカビが発生していました。「既に随分前にカビは認識していたけれど、中は何ともなっていなかったので今まで使っていました。今回、引越しをすることになったのでこの機会に相談」ということでした。
 
 総桐たんすは、設置環境によって湿度に敏感に反応します。既にお持ちの方は経験なされていると思いますが、梅雨や大雪の時期は、湿度の影響を敏感に察知し、湿気を吸収し引出しが場合によっては開かなくなるケースもありますが、それ以上の湿気を内部に入れさせない、これこそが総桐箪笥の最大の特長である中の大切な衣類を湿気やカビから守る現象です。
 
 今回の箪笥表面のカビの主原因は、設置場所が湿気が篭り易い場所であったことと、桐箪笥の前に暫くの間、座布団を置いていたのでということが原因で湿気が滞留しカビ化したものと考えられます。一般的に、総桐箪笥は大切なものだからと納戸や人が余り出入りしないお部屋とかに設置して、年に数えるほどしか開け閉めをしないというお話もよく聞きますが、やはり管理という面では、最低限お天気の良い日には、お部屋も含めての換気が必要ですね。車でも乗らなければバッテリーが上がってしまい走行不能になったり、古くなった部品が錆びてしまったりして何らかの異常を発生するということと似ています。
 
 但し、総桐箪笥は表面には斑点状のカビが発生しても中までは被害にあっておらず、一般の家具では表面にはカビは見受け難いものの中の衣類がカビに侵されているということがよくあります。ここに手造りの本物の総桐箪笥の価値があると云えます。この現象は、サッカーで云うとイエローカードのようなもので、この場所は湿気が多いから気をつけて下さいねと桐箪笥が教えてくれていると理解して下さい。

 この度は、一連の状況を把握し、お客様にも説明理解して頂き、夫婦箪笥をお預かりさせて頂きました。カビはもとより20年の汚れや傷、目に見えない箪笥本体の狂いの矯正も含めて「洗い・修理 再生」を行い、ご新居までお届けすることでご用命を頂きました。
 お客様曰く、「いい品を持つということは、それなりの扱い方にも配慮しながら使い込んでいくことの大切さを実感しました。これを機に総桐箪笥以外にも良い道具を扱うことに対して、習熟して行きたいと思います」と言ってみえました。
 今まで私共の品をお使い頂き、またお直しをさせて頂く事に、ご縁を感じ、まるで新品のようにきっちりとした形でお納めさせて頂きたいと思います!

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引出しをきっちり閉めていない為に前板の上にもカビが・・・  換気の良くない場所は、湿気が溜まり易いので注意!    


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