名古屋桐箪笥

「経済産業大臣指定・伝統的工芸品・名古屋桐箪笥」の製造元。伝統工芸士が製作した総桐箪笥から現代的なデザインの総桐チェストまで、中部地区最大級の品揃え。想い出深い桐箪笥の再生(洗い)も承っております。

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ちゃんとした総桐たんすとして買ったつもりなのに・・・

長文にて失礼致します。 

先日、当社HPをご覧頂いた方から、自分が嫁いだ時に購入した桐箪笥にカビが生えてしまったので、綺麗に直せるかとの相談がございました。拝見した処、湿気に因るカビと箪笥全体にも狂いがありましたが、まだまだ桐箪笥としては、充分使える若い箪笥です。
 
 一般論ですが、近年、住宅の気密性が高まり、湿気が室内に滞留する傾向が多くなった為か、こういうご相談が増えています。原因は色々あり、住宅の高気密化にも一因はありますが、最近、顕在化しているのは、ここ30~40年前から購入された見た目は桐箪笥ですが、たんす本体が一般の家具と同様に合板等の芯材の上に桐の薄い突板を貼っただけの品が、こうした状態になっていることが特に多いと感じます。(勿論、本物の総桐たんすでも扱い方の問題でなることもあります)

 恐らく、購入時には、多くの方は、その姿・形から職人に依る手造りの総桐箪笥だと思って購入されたと思いますが、実は違っていたということが増えています。残念ながら、今回のご相談の桐箪笥も正しく同様でした。 購入後30年程経過すると、そろそろ洗い(メンテナンス)のタイミングではと相談を受けることが多いのですが、今回のような案件は正直な処、一番困ります。ひと言で言えば、修復が難しいからです。今回もこの品の品質を正直に申し上げた処、悩まれましたが、最終的には何とかしてほしいということでお預りさせて頂きました。本当に手間の掛かる作業になりますが、お受けした以上は出来るだけのことはさせて頂くつもりです。

 また、特にこういう品は、残念なことに桐箪笥本来の特長を持ち合わせていないうえに、将来の洗い・修理再生を全くと云っていいほど想定しない品とも云えます。販売の為に無意味な豪華さを演出するためのデザインや形状、そいて、その多くは本体の造りがダボ組みや強力な接着剤で固定してある為、洗い・修理再生の際、綺麗に仕上げる為に必要な場合、箪笥の一部を分解して鉋を掛け直すこともできません。ちゃんとした職人なら、先の事も考えて自分のプライドに掛けても、そのようなもの造りは恐らくしないはずです。
 
 写真の品も、残念ながら総桐箪笥と呼べない典型的な量産型の桐たんすです。勿論、設置場所や扱い方にも因る処もありますが、大切な衣類を桐たんすの中に入れておいたのにカビ等・・・ 安価な通販商品を始め、高級品でもこのような量産品が市場には、沢山流通しています。これから新たに総桐箪笥を購入しようとお考えの方は、ご注意下さい。。。将来の修理・再生も難しい場合がありますし、恐らく期待を裏切る高い買い物になり、あとで後悔することになる可能性 大です。
 
 間違いのない本物を選ぶひとつの基準としては、「できれば国の伝統的工芸品指定を受けている製品を選ぶこと」「若干の知識は必要ですが、自分の眼で確かな品かを確認すること」「決して、値段だけは買わないこと」 
 本物は、やがてあなたの大切な想い出深い桐箪笥になるはずです。

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       外観は豪華な設えの量産型の桐たんす  (側板や台輪廻りは、カビが酷いです)

  

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